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開業準備「虎の巻」開業チェックポイント
開業に向けて準備の各段階で、
押さえておくべきポイントとアドバイス
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物件契約のポイント
ポイントその11〜これは使える・・・押さえておきたい特約
賃貸借契約は賃借人、賃貸人それぞれに都合があり、画一的な契約書で全てを済ますということは難しいものです。その場合は特約条項を盛り込み問題点をクリアします。以下に特約の例をあげます。
賃料免除期間(フリーレント)の特約 |
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フリーレントは実質的には賃料値下げを意味しますが、賃貸人にとっても名目賃料を高く保つことができ、不動産の資産価値を維持することができるという利点があります。一般に賃借人は、新規に事務所を開設する場合は別として、既存の事務所から移転して来る場合が大半です。その場合、前の賃貸借契約の解約予告期間との兼ね合いから生じる二重賃料の負担を免れるために、賃借人の希望により免除期間を設定することはよくあります。 フリーレント期間は、契約期間が2年であれば3ヵ月から6ヵ月間が大半です。前程条件として賃貸借契約書への調印、保証金の預託が必要であり、また共益費は対象とはなりません。 |
同居に関する特約 |
賃借人に別法人があり、その名称の表示や同居を希望するケースは少なくありません。しかし、同居や別名称の表示は禁止事項ですので、この特約によって事前承諾を得るわけです。 |
看板設置の特約 |
医院の場合、医院名を記した看板を外部に目立つように設置することは重要です。設置可能な場所、大きさなど、この特約で事前承諾を得る必要があります。 |
賃料改定に関する特約 |
賃貸人と賃借人の希望賃料(条件)を調整するための条項です。傾斜家賃(契約年数に比例して家賃を上げていく)などの取り決めを記載します。 |
契約名義変更に関する特約 |
医療法人を設立する場合を想定して取り決めます。 |
明渡しに関する特約 |
最近トラブルの多い明渡しについて、事前に協議事項を特約として定めるものです。「契約時の現況渡し、契約終了時の現況返し」、あるいは「現況渡し、スケルトン返し」、「スケルトン渡し、事務所仕上げ返し」などがあります。 |
造作譲渡に関する特約 |
原状回復義務があるために、賃借人が新設付加した造作は譲渡できない約束ですが、場合によっては造作の譲渡を賃貸人が承諾する特約です。 |
転貸に関する特約 |
介護事業など医療サービスの周辺事業に進出する予定がある場合、関係事業者に転貸することの事前承諾を得ておきます。 |