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開業準備「虎の巻」開業チェックポイント

開業に向けて準備の各段階で、
押さえておくべきポイントとアドバイス

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物件契約のポイント

不動産に関わる契約はなじみの薄いものである一方で、法的権利関係を確定する、非常に重要なものです。間違いがないよう、判を押す前に、必ず以下の点について確認してください。


物件契約のポイント

これだけは知っておきたいポイント・アドバイス

ポイント1 契約パターン〜定期賃貸借と普通賃貸借
ポイント2 面積の考え方〜「内法」と「壁心」、「ネット」と「グロス」
ポイント3 毎月払うもの〜賃料・共益費
ポイント4 契約の前に〜入居申込書と手付金
ポイント5 契約時に払うもの〜敷金(保証金)
ポイント6 賃貸借期間と契約満了時の更新、再契約
ポイント7 万が一の場合には〜中途解約
ポイント8 こんなことにならないように〜契約解除
ポイント9 トラブルになりやすい〜原状回復
ポイント10 出来れば避けたい〜損害賠償・違約金
ポイント11 これは使える〜押さえておきたい特約

ポイントその1〜 契約パターン〜定期賃貸借と普通賃貸借

医院などの事業用建物賃貸借契約の形態は大きく分けて、定期建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約の2種類です。大型ビルは定期建物賃貸借契約のケースが多いですが、最近は、診療所向けの中小ビルでもこちらが増えてきています。 両者の違いですが、定期建物賃貸借契約は多くの点で賃貸人に有利な内容となっていますので注意が必要です。

<定期建物賃貸借契約の持つ賃貸人に有利な点>

  • 契約期間が満了しても更新されることはなく必ず契約は終了する
  • 再契約の合意が成立した場合にのみ再契約となる
  • 特約がない限り中途解約ができない
  • 中途解約しても賃借人は残存契約期間分の賃料相当額等を支払う義務がある
  • 特約があれば賃料の減額請求を拒否できる

定期建物賃貸借契約がなぜこれだけ賃貸人に有利なのかというと、旧借家法での賃貸借は賃借人の保護の側面が強く、一度貸したらほぼ賃貸人には戻ってこないという制度であったことが背景にあります。そのため、主に住居用の不動産流通量が減り始め、良質な住居の提供ができなくなるおそれが出てきたのです。そこで、賃貸人に有利な定期建物賃貸借制度が新たに作られたのです。

その際、これを事業用にも転用できないかという議論があり、立法的にも事業用定期借家の制度ができたというわけです。今では賃料収入の将来見込みを明確に出来るという利点から、不動産ファンドがオーナーである事業用建物のテナントなどに広く使われるようになってきています。 賃借人としては、上記定期建物賃貸借契約の性格を良く頭に入れて契約に臨みましょう。

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