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the医院開業の開業指南塾|勝ち組クリニック経営パターンはこれだ!

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シリーズ総まとめ。1500万の勝ち組クリニック経営パターンはこれ!

前半ではこれまでご紹介した7つの比較ケースを総括して並べ、それぞれのテーマに対してクリニックがどのように対応したかにより、当初3年間の可処分所得が大きく違ってきたことを確認いたしました。 後半では、敢えてコストに具体的なポイントを絞り、3年以内にきっちり可処分所得1500万円を達成するためのいわば“勝ち組”の開業パターンはいったいどのようなものなのか、3つのアプローチで結論としたいと思います。


勝ち組パターン1.「初期投資」

まず、開業に際してかける総コストの大きさ、「初期投資」の額をいかにコントロールできるか、の点を第一に挙げてみます。 必要な投資はするものの、無駄なコストはなるべく削って総額を抑えていきたい、というのは多くの先生が考えるところですが、いざ“自分の城のスペック”として選択する場合、これぐらいは・・・が積み重なって総額では意外に大きな投資額となるケースが少なくありません。

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Bクリニックは、開業資金の手当が借入金に大きく依存することから、設備等への支出は極力抑え、医療機器の導入も必要最低限に絞り込んだ形でスタートしました。

  • 内装工事(総額1000万円)
    シンプルで落ち着いたトーンをベースに、待合室やトイレなど、患者さんに直接触れる場所にはある程度コストをかけたものの、バックヤードや見えない場所のコストは思い切って落とすことで、総額を抑えました。
  • 医療機器・電子カルテ(総額800万円)
    当初導入はエックス線・CR、電子カルテとエコーのみとし、できれば入れたかった他の機器は患者さんが増え、ニーズがはっきり見えてきた段階まで導入を先送りとしました。
  • 備品、待合室ソファー(50万円)
    院内の様々な備品類や待合室のテーブル・ソファー等は、基本的に医療用を使用せず、自分で機能的でセンスの良いものを安く選んで設置しました。サイズや形など、内装に上手く合わせるのもそれほど簡単ではありませんでしたが、内装業者との打合せをまめにするなどして極力“まあまあのものを安く”選びました。
■経営数値 (金額単位:千円)
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結局、開業に要した初期コストは運転資金を含めて3500万円程度。自己資金を1500万円投入したこともあり、借入金等の外部資金は2000万円に抑えることができました。そしてこのように初期の負債を軽くできたことでリース料や借入金返済が軽くなり、結果可処分所得は3年目でしっかりと1500万円を超え、5年目以降は安定的に2000万円超の資金確保ができています。

過大投資は、「放漫経営」とともに医療機関倒産原因のトップとなっています。クリニック開業時の初期コストは、一般的に最も多額の投資の機会であり、判断ミスがその後の経営や財政に長く影響を及ぼすことから、「勝ち組」となるためにはまず、ここを上手くコントロールすることが重要となりそうです。
FILE02 ABクリニックの経営状況の比較紹介


勝ち組パターン2.「人件費」

次に大きい固定費となるのが人件費です。医療業は“労働集約型産業”であると言われますが、この人件費コントロールは非常に重要で、特にクリニックにおいては人任せにし過ぎず、いかにムダな人員配置排除できるかの点がとても重要となります。

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Fクリニックは、当初からスタッフはパート採用を徹底し、シフトを組み合わせて配置する方針で開業しました。

  • 看護師は、よく知っている先輩クリニックのパート勤務の方に手伝って貰い、なおかつ一般募集で午前・午後に分けて合わせて3名採用しました。それでも看護師不在の時間帯が生じますが、そこは割り切って診療を工夫し対応しました。
  • 事務は診療補助業務も兼ねてやはりパートで午前・午後に分け延べ6名を採用しました。また付き合い残業のないよう留意し、患者さんの事情で診療が長引く場合などには随時最小限の体制でできるよう、こまめにコントロールするなどの対応を心掛けました。
■経営数値 (金額単位:千円)
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パート採用の利点は、給与額が抑えられること、賞与や社会保険料を考えずに済むことの他、アイドルタイムの費用削減の効果も小さくなく、総じて常勤体制と比較してかなり大きなコストダウン効果があります。 もちろん、体制維持には逆に院長の手間や労力が必要でもあり、またロイヤリティの醸成にもあまり適さないという面もありますが、仕事に対する責任感は待遇よりその人個別の要素が大きく、少なくとも開業当初のコスト管理の面では、上手く活用することが大変効果的であると言えます。

Fクリニックは、全体にコストを抑えた経営体質での開業ではありますが、特に人件費率は10%未満と非常にセーブされた構造での運営となっており、結果開業初年から順調に利益をあげ、2年目から可処分所得1500万円を軽々クリアしています。そしてその後も収入の増加する中、人件費コントロールが効いた運営を続けて3000万円を超える可処分所得を維持しています。
FILE04 EFクリニックの経営状況の比較紹介


勝ち組パターン3.「広告宣伝費」

次は開業時の広告を適切に使うことの重要性の点です。 クリニック開業時、通常はその存在を患者さんは認識できず、したがっていかに多くの方にクリニックの存在を知って頂くかが非常に重要なポイントになります。特に開業から患者さんがある程度増えるまでの間はクチコミ効果も小さく、どれだけ早く知って頂くか、クリニック情報を届けることができるかにより、立ち上がりのスピード感が大きく違ってくることがあります。

Hクリニックは、先輩開業医の話を聞く中で広報・広告の重要性を理解し、どのようにしたら早くから自院を認知して貰えるかを戦略的に思考したうえで、しっかり手間とコストを掛けてクリニックを知って頂くことに注力しました。

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  • 開業前からホームページを立ち上げて、病気や治療についてのQ&Aを用意。さらに更新はまめに行い、リンクも積極的に交換しました。
  • 同様に開業前からモールの共用看板などに名称などを載せて貰いアピール。
  • 開業前には、採用募集関連で新聞折り込み・ポスティングを複数回実施。また内覧会は開業日直前の土日2日間に亘って開催しました。
  • 電柱看板は当初30本、駅看板を3箇所、野立看板も要所に2箇所掲出。さらにバス停近くでもあり、路線バスのアナウンス広告も実施しました。
  • 開業後も、患者さんの来院エリアを分析して情報の不足地域を想定し、看板の設置等広告の量をコントロールしてより効果的な利用を工夫しました。

開業時の広告費用は正に「開業費」であり、また多くの場合、特例的にいろいろな方法が容認される貴重なタイミングでもあります。
自院の良さを知って頂くのにも、まず認知していただくことが何より重要で、さらにその認知のスピード感の差により患者数も大きく影響を受けることを考慮すると、適切である程度十分な量の情報提供のため、広告をしっかり利用することは非常に大切な思考といえます。

■経営数値 (金額単位:千円)
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Hクリニックは当初からその広告効果が出ており、開業初年から利益を確保、可処分所得も2年目から1500万円をしっかりキープしました。広告費用もそれなりにウエイトがあるのですが、そのコストを吸収してなお十分な利益・キャッシュフローを稼得しています。
更に5年目は概ね3100万円の可処分所得が見込まれ、継続してホームページでも新患を集めており、やはり出足で順調な実績を上げられたことが大きかったといえそうです。
FILE05 GHクリニックの経営状況の比較紹介

ワンポイント:「利益〜可処分所得」を確保するために

「利益〜可処分所得」を確保するためには、診療科や目指すスタイルにより当然ながら様々な方法がありますが、費用の使い方に関してはどのような状況でも考え方次第である程度共通する方向性が挙げられます。

  1. 初期投資は慎重に吟味して抑えること
  2. 人件費管理は労を惜しまずに行うこと
  3. 認知度は最速で上げること

これらは非常にオーソドックスな思考であり、またこれに嵌らない運営方針もあると思われますが、一方でシンプルにこれらを志向することで早期にしっかり可処分所得を確保し、経営的な安定を得て頂くことはクリニックの開業にとり大変重要なことです。
先生方のご開業が、収入面での結果を得て良いものになることを大いに期待し、本稿締めとさせていただきます。

(文責:税理士法人アフェックス

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