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実際に開業を経験したドクターの声をお届けする開業医のリアルストーリー VOL3
地元での開業にこだわって、2018年10月に、東京都台東区浅草に呼吸器内科を開業した「あさくさ田原町内科クリニック」の院長・阪口真之先生。開業までにはどのような苦労があったのか? 開業してから直面した壁とは? 阪口先生に伺いました。
プロフィール
阪口 真之
- クリニック名
- あさくさ田原町内科クリニック
- 科目
- 呼吸器内科・内科・アレルギー科
- 所在地
- 東京都台東区寿2-10-11 MS田原町ビル2階
- 開業年月日
- 2018年10月
- スタッフ
- 看護師3名(パート3名) 医療事務3名(常勤2名、パート1名)
地元・浅草の地域医療に貢献したい
――クリニック開業はいつから考えられていましたか? なぜ開業しようと思われたのでしょうか?
私は奈良で生まれましたが、10歳のときに浅草に引っ越してきて、そこからは地元に愛着を持って育ちました。
ずっと大学病院に勤務していたこともあり、新橋や大森、静岡の富士市などで診察をしていたのですが、地元の人たちに「そろそろ地元で働いて下さいよ」と言われることが多くなりました。
7年半前から同じ台東区内の総合病院で勤務するようになり、地元の方が喜んでくれたのですが、より地域の方々に近い存在として、健康管理をしてさしあげたいと思い、開業を決意しました。
また、大学の同期の半数位はすでに開業していたのですが、相談すると、「いい場所がどんどんなくなっている。将来的に少しでも開業を考えているなら、早いに越したことはない」と言われたことにも背中を押されました。
ただ、厄年に開院することはなるべく避けようと思っていたので、結果的に44歳になったタイミングで開業することになりました。
――開業準備はいつ頃から始められましたか? 開業するにあたり、何から着手されましたか?
準備は2年前位から始めました。
前職では呼吸器内科の部長という立場でしたので、周囲に開業の意思を早めに伝えながら、徐々に仕事を引き継いで行きました。そして、2~3の物件サイトにも登録して、物件の相場観を調べ始めました。
本格的に動き出したのは1年前です。開業コーディネーターさんに紹介してもらった近隣区の物件がとても気に入り、ほぼそこに決めかけたところで、両親から「せっかく開業するなら、地元浅草にこだわったほうがいいのでは?」と言われました。
その後偶然、親の知り合いの方に、こちらの物件を紹介してもらうことができました。もともと整形外科で開業されていた物件で、駅から近く、バス通りにも面していたので即決しました。
――物件が決まってからは、どんな準備を始めましたか?
先に開業した同期や先輩のクリニックを見学させてもらい、たくさん写真を撮り、自分のなかでクリニックの内装イメージを固めて行きました。
開業医の先輩たちからは、例えば内装工事でも、お金をかけるべきところと、収納グッズやマガジンラックなど通販サイトでリーズナブルに上げられるところなど、実用的なアドバイスがもらえて、すごく勉強になりました。
――開業準備は何が大変でしたか?
昨年10月に開業しましたが、7月まで総合病院でフルで働き、8、9月は週2回、パート勤務をしながら準備をしました。そのため、打ち合わせや開業に関する講習、行政への申請手続き、スタッフ面接と、スケジュールを詰め込むのは大変でした。
その間にお盆休みも入り、内装工事が進まなかったことにも焦りました。
――スタッフの採用は順調でしたか?
- 先に開業した医師仲間からも、とにかくよい人材を集めることが大切と聞いていました。
そのためクリニックの内装についても、スタッフの休憩室を第一優先で考えたくらいです。休憩時間にリラックスしてもらえるように、壁紙は癒し系のデザイン。冷蔵庫、電子レンジ完備です(笑)。 - しかし、お盆に求人広告を出したためか、応募が9人のみでした。「時期が悪かったのかな?」とも思いましたが、結果的に優秀な経験者の方が入ってくださったので、とてもラッキーだったと思います。
- ちなみに求人広告以外に、子ども繋がりのママ友看護師さんにも声をかけて、パートで来ていただいています。