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開業準備「虎の巻」開業トレンド
医院開業マーケットを様々な切り口で分析
これからの開業はどうなっていくのか?
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診療報酬の改定
- 診療所経営に影響を与える診療報酬点数
大病院は外来を縮小、医院への逆紹介が増える。
医院経営に大きな影響を与える改定は外来リハビリテーション。
1.大病院の外来縮小
病院勤務医の負担軽減は、特定機能病院と一般病床500床以上の大病院の外来について縮小の取組をしなければ、診療報酬点数における加算の届出が出来ないような仕組みを導入しました。例えば、医師事務作業補助体制加算や急性期看護補助体制加算などはこれらの大病院では、外来縮小の取組をしていなければ届け出が出来ないこととなっています。
さらに、特定機能病院や一般病床500床以上の病院においては、紹介や逆紹介が一定割合でないと初診料が200点(通常270点)、外来診療料52点(通常70点)となります。
このような点数が出来たことにより、大病院は外来を縮小しつつ、医院へ逆紹介をしていくことが予想されますので、医院の外来は増加することが見込めます。
2.リハビリテーションの改編

医院経営に大きな影を落としそうな改定は、外来リハビリテーションにあると思われます。これまで、外来リハビリテーションは、毎日医師の診察を受けることで再診料とリハビリテーションに関する診療報酬点数が算定できました。しかし、今回の改定では、リハビリテーションに係る毎日の診察が免除され、その代わりに外来リハビリテーション診療料1(69点)と2(104点)が新設されました。外来リハビリテーション診療料は、1であれば7日間診察をすることなくリハビリテーションを行うことができます。2であれば14日となっています。これにより、リハビリテーションに訪れた患者に対して再診料が算定できなくなります。
この管理料の算定には、届出が必要なので再診料をこまめにとっていくのであれば、届出をする必要はありません。ただし、このような加算が出来たがために毎日のリハビリと再診料の算定には外部の目が厳しくなると思われます。
もう一つは、維持期のリハビリテーションについての変更です。リハビリテーションは、これまで早期と疾患による算定上限日数、算定上限の日数を超える維持期と言われるリハビリテーションのステージがありました。
今回の改定では、維持期のリハビリテーションにある状態の要介護者については、医療保険から介護保険へ2ヶ月で移行させるとともに、次回の改定からは要介護者について医療保険で維持期のリハビリテーションが算定できないようになりました。
3.在宅医療分野
医院において目玉となっているのは、在宅医療分野であると思います。在宅医療分野を充実させるために在宅療養支援診療所の機能強化が図られました。診療報酬点数も図5のように機能強化型の診療報酬点数が新設されています。
機能強化した在宅支援診療所の施設基準 | |
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単独型 |
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連携型 |
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在宅医療における改定は、この機能強化型の在宅療養支援診療所の点数の新設が中心となりました。 例えば、訪問診療の中心となる在宅時医学総合管理料は、下記のようになり、病床なしの処方箋交付有の点数であれば、これまでの4200点より400点増加しています。
在宅時医学総合管理料 |
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在支診と在支病(機能強化型) |
また、これに合わせて病院の一般病床も図6のように在宅支援に対する評価がなされるようになっています。例えば、在宅医療を受けていた患者さんが急性増悪して一般病棟へ入院した場合は、救急・在宅等支援病床初期加算150点/日(14日)が入院基本料に加算されます。このような点数が設定されることで、病院は在宅医療の患者さんを受け入れやすくなります。

今回の改定はこのような概要となっています。
(文責:木村憲洋)