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広告ではなくPRを!クリニックの価値を高めるための戦略法
クリニック経営で一番大切なことは継続です。
院長が看板となり、クリニックの価値を高める上手なPR方法とは
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PRが成功したドクター4 佐々木先生のケース
手術も投薬もしない治療をしたい!
一人の患者さんの行動が、背中を押してくれた
そんな佐々木先生に対して、上司は、「病院の方針に従えないなら、やめてもらう」と警告しました。同僚も誰一人、味方になってくれませんでした。 そんな四面楚歌の佐々木先生を救ったのは、一人の患者さんです。
50代前半、会社員のAさんは、十年以上もメニエール病に苦しんでおり、近頃は左耳の聴力がかなり落ちていました。 病院では手術を勧めていたのですが、これまでのメニエール病治療に疑問を持っていたAさんは、頑なに拒み、そのうち通院もやめてしまったのです。
ところが、半年振りにAさんが外来にやってきました。診察すると、なんと、左耳の聴力がわずかですが、回復していたのです。それだけではありません。いつもはうつむいて小さな声で話すAさんが、佐々木先生の顔を見て、しっかりした声で受け答えし、「毎日、会社まで往復30km、走って行っているんです。最初はきつくて、仕事にならなかったんですが、1月もすると身体が慣れていって。気が付いたら、めまいがなくなっていました」とうれしそうに話したのです。
有酸素運動に治療のヒントがあるのではないか。
それから薬が効かない、発症後3年以上経つ患者さんに、「今日から薬は出しません。その代わり、毎日10kmぐらい、走るかウォーキングをしてみてください」とお願いしていったのです。
怒って担当医を変えてくれ!という患者さんもいましたが、多くの患者さんは佐々木先生の申し出を快く受け入れ、ウォーキングを始めてくれました。その結果、7割の患者さんに症状の改善が見られたのです。
ところが、大学病院ではこうした勝手な振る舞いは認められず、佐々木先生は自分のクリニックを開業する決心をしたのです。
「保険診療だけれど、すべて予約制にして、最低30分、じっくりと患者さんと向き合えるクリニックにしたい」
ところが、これまでまったく開業を考えていなかったこともあり、クリニックを経営する自信がありません。
そんなとき大学時代の同僚が、「うちの病院の一室を使って、専門クリニックをやってみないか」と助け舟を出してくれたのです。
クリニック開室後、大学病院時代に付き合いのあった健康雑誌のライターさんが取材をしてくれたこともあり、「投薬なし、手術なしのメニエール病治療」は話題となりました。
それはこれまでの治療では治らない患者さんがいかに多いかという証明にもなったのです。
その後は、口コミとインターネットであっという間に広がり、いまでは予約が3カ月待ちという人気のクリニックになりました。
(エディター・キャリアコンサルタント:内田朋恵)