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広告ではなくPRを!クリニックの価値を高めるための戦略法
クリニック経営で一番大切なことは継続です。
院長が看板となり、クリニックの価値を高める上手なPR方法とは
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PRが成功したドクター3 山田先生のケース
患者さんを第一に考えた治療を貫く
上手にPRをしているドクターの3人目は、不治の病といわれていた腎臓病の治療に成功した腎臓内科の専門医、山田先生(仮名)をご紹介します。
学会でも相手にされなかった治療法
「先生、私もとうとう透析患者になってしまいました……。これじゃ、もう旅行はいけないですね。定年したら、妻と海外旅行に行こうと思っていたんですけどね……」
そう、寂しくつぶやく患者さんを前にして、山田先生はなすすべもありませんでした。
「あと何回、こんなことを繰り返さなければならないんだろうか。絶対に、Iga腎症の根治療法を見つけてみせる!」
こうした患者さんとのやり取りが、山田先生をIga腎症のスペシャリストにならしめたきっかけです。
不治の病といわれ、罹患20年後には40%前後の人が腎不全になり、透析になる確率が大変に高かったIga腎症。患者さんを診る機会の多かった山田先生は、糸球体の炎症を抑えるためのステロイドパルス療法を繰り返しているだけでは、Iga腎症は寛解しない、と思い始めていました。
そんなとき、特に予後の悪い患者さんたちの扁桃腺に小さな白い膿が見つかる事が多いことに気づいたのです。
そこで、扁桃腺に膿を見つけた患者さんに、扁桃腺摘出手術を施してみました。すると、どうしても消えなかった血尿が、多くの患者さんで検出不可となったのでした。
「扁桃腺炎が、血尿が消えなかった原因だったのではないか」
そう確信した山田先生は、臨床を進め、その結果を論文にまとめて、さっそく学会で発表したのです。ところが、当時はIga腎症の発症原因がはっきりとわからなかった(いまだに不明)こともあり、山田先生の研究は、学会ではまったく相手にされませんでした。