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広告ではなくPRを!クリニックの価値を高めるための戦略法
クリニック経営で一番大切なことは継続です。
院長が看板となり、クリニックの価値を高める上手なPR方法とは
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医者としての棚卸をする(4)
- 棚卸の最後は、インフォームドコンセントについてです。
- インフォームドコンセントが提唱されてからすでに20年以上が経ち、すっかり定着した言葉であり行為となっています。
- ドクターの皆さんは、研修医時代より、インフォームドコンセントについては訓練を重ねてきたことと思いますが、この機会にこれまでのご自身のインフォームドコンセントを振り返ってみましょう。
患者さんは本当に理解していたか
少し私の経験をお話します。
いまから20年以上前になりますが、卵巣嚢腫の手術を受けました。
最初にその診断を受けた医師からは、「卵巣嚢腫が見つかりました。まだ小さいから核出術できます。楽になるから取っちゃいなさい。で、手術はいつにする?」と言われました。
核出術? 楽になるから取っちゃいなさい?
納得がいかなかった私は、「仕事が忙しいので、次に決めさせてください」とだけ答え、診療室を出てすぐに、この2つの言葉を手帳に書き留めました。
当時はネットから情報を取ることができなかったため、すぐに書店に行って卵巣嚢腫に関する本を買って、核出術が卵巣を残せることを理解しました。
それでも、「楽になるから取っちゃいなさい」という言葉がどうしても納得できず、当時ではまだ珍しかったセカンドオピニオンを取りに別の病院を訪れました。
そして、「あなたの卵巣嚢腫はチョコレート嚢腫ではないので薬での治療はできない、まだ小さいからすぐに手術はする必要はないが、捻転を起こす可能性があるので、どこかの段階では手術が必要、半年くらいは手術を延ばしてもいいが、1年先までは延ばさない方がいい」と説明を受け、やっと納得して手術を受けることに同意しました。
私は仕事柄、医師の知り合いが多く、セカンドオピニオンも取りやすい立場にあったので納得いくまで説明を受けることができましたが、患者さんの多くはそうではないでしょう。
ドクターの皆さんにはいまさらな話で、余計なお世話と思われるでしょうが、ドクターに納得するまで質問をできる患者さんはほとんどいないのではないでしょうか。