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クリニック経営を左右する失敗しないスタッフ採用のコツ
人材不足と言われる中、よいスタッフ採用するには?
最高の診療ができる環境にするための、人材確保のコツとは。
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ドクター自身が成長することも大切
これまで医師のパフォーマンスを最大に発揮できる環境=診療に集中できるためには、どのようなスタッフを採用すればいいか、考えてきました。 医師が診療に集中できるということは、それだけ多くの患者さんを診察することができるということですから、クリニック経営にとっても有用です。
連載の最後に、スタッフ採用の際、クリニック経営者として気をつけたい点について、確認しておきましょう。

長く勤めてもらうことが大切
せっかくよいスタッフが採用できたなら、次に考えなければならないことは、いかに長く勤めてもらうか、ということです。
開業時、せっかくいいスタッフを採用しても、その後、1人、また1人と辞めていき、半年もしないうちにすっかり変わってしまったというクリニックは少なくありません。
- そういうクリニックには次のような共通点があります。
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- 院長の方針が明確でない
- 勤務規定がなく、無給の残業が多い
- スタッフをまとめるリーダーがいない
- 院長からスタッフへの要求が多すぎる
- 院長夫人が口出しする
- などです。
とくに、開業当初は、コストのことばかりを考え、ギリギリのスタッフ数でまわそうとして失敗する先生方が少なくありません。
いまの時代、忙しすぎる、残業が多い、休日が少ない、ということは、お給料が少ないことよりもスタッフの不満が溜まるといわれています。
余裕のあるスタッフローテーションが組めるよう、パートさんを増やすなど、スタッフ採用は工夫も必要です。
スタッフの成長を見守ることも必要
FILE 004で、「マルチ力(りょく)」のあるスタッフがいいとお話ししましたが、そういう人を採用するのはなかなか難しいものです。
ならば、マルチ力を持てるよう、スタッフを育成していけばいいのです。 ここで気をつけたいのが、1.各スタッフの力量を見る、2.先生の気持ちを押しつけない、の2点です。これを間違えると、スタッフが大量に辞めていくなんてことも起こりえますから、十分に気をつけてください。
たとえば、医療事務で精一杯のスタッフに、いきなり受付もやらせるのは酷です。仕事量が増えたことで、ミスが出ることも考えられます。 仕事の幅が増えるし、それによってお給料も上がるのだからと、良かれと思って始めたことでも、実力がないスタッフにとっては、ありがた迷惑です。
ミスが起きたり、患者さんとトラブルを起こしたり、パンクして無断欠勤されたり、さらには辞められでもしたら、かえって院長の仕事が増えてしまいます。 スタッフの力量をはかり、少しずつモチベーションを上げながら、それぞれにマルチ力をつけさせる。 これがうまくいけば、先生は診療に集中できますね。
クリニックを開業するということは、先生自身が経営者になることです。 いい経営者は、必ずビジョンを持っています。 ご自分のクリニックを開業するなら、どんなクリニックにしたいのか、どんな診療をしたいのか、どんなスタッフと働きたいのか、を明確にしなければなりません。 ビジョンのない経営者には誰もついてきてくれません。最初はぼんやりとしたものであっても、スタッフとクリニックを作っていきながら、次第に明確にしていくことも可能です。
「スタッフが一番の財産です」と言えるよう、スタッフと一緒に院長自身も成長していくことができれば、きっと良いクリニック経営ができるでしょう。
(エディター・キャリアコンサルタント:内田朋恵)