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実際に開業を経験したドクターの声をお届けする開業医のリアルストーリー VOL2
東急東横線の都立大学駅から徒歩1分。新築ビルの3階にあるのが、山崎ももこ先生が院長を務める「もも耳鼻咽喉科」です。開業は2019年2月。場所探しからスタートし、1年半の準備期間を経てのオープンでした。苦労した点や奏功した工夫など、開業までの道のりを振り返っていただきました。
プロフィール
山崎 ももこ
- クリニック名
- もも耳鼻咽喉科
- 科目
- 耳鼻咽喉科、小児耳鼻咽喉科、アレルギー科
- 所在地
- 東京都目黒区平町1‐27‐8 FPC平町ビル3階
- 開業年月日
- 2019年2月
- スタッフ
- 常勤看護師1名 医療事務スタッフ3名(常勤2名)
大学病院勤務と子育てを両立させながら開業を実現
――なぜ開業しようとお考えになったのですか。開業を決意されたのはいつですか。
以前から家族に開業を勧められていたんです。
私の父も医師で、特にその父から勧められました。
大学内での昇進にこだわらないのであれば、勤務医よりも開業医のほうが自分の裁量で決められることが多いと。
それに私は昔から子どもが好きで、クリニックでは小さな子どもを身近に診ることができます。その点もいいな、と思いました。
開業を決めたのは1年半前です。子どもが小学校に入り、生活が落ち着いてきたタイミングです。
しかし、どうやって開業していいのかまったく分かりませんでした。
先輩に相談先を紹介してもらうという方法もあったのですが、紹介を受けると断りづらくなるので、自分でインターネットで検索してコンサルタント会社を探しました。
――お仕事と子育てを両立させる中で、どうやって準備を進めたのですか。
平日の夕方や土日を利用して準備にあてました。
コンサルタントの方にあちこちの物件を紹介してもらい、勤務のかたわら現地に足を運びました。4、5件は行ったと思います。
本当に、コンサルタントさんに頼りっぱなしでした。
物件探しのときには、近くにどんなクリニックがあるのか、生活圏内にどのくらいの人が住んでいるのか、といった情報ももらいました。
耳鼻咽喉科を開業するには大体100㎡くらいの広さは必要だというのも教えてもらったことの1つです。
――大学病院にはいつまで勤務されていたのですか。
2018年の12月末までです。
ただ、かなり前から、辞職して開業することを教授に話していたので、11、12月は仕事量を減らしてもらっていました。だから勤務しながらの開業準備はそれほど大変ではありませんでした。
役所への各種申請などは退職してからです。これもコンサルタントさんに下準備をしてもらっていたので、1月になってから一斉に出せました。
開業は、本当にすることも決めることも多いから、相談先は必要だと思いますよ。
開業エリア選定のこだわりは、通いやすい駅近であること
――ここを開業の地に選んだのはなぜでしょうか。
もともと私自身が東急線沿線で生まれ育ったので、この辺りになじみがあったからです。
ですから、東横線沿線にしぼって物件探しをしました。
また、小学3年生の息子が学校や習い事の帰りに、クリニックに立ち寄ることができる場所というのも条件の1つでした。
都立大学駅は各駅停車の電車しか止まりませんが、その分、大きな繁華街もなく、落ち着いた雰囲気です。 家賃も手ごろで生活者が多く利用するという点でも、この駅でよかったと思っています。
――物件探しで特に重視されたのは、どのような点ですか?
駅に近いということです。患者さんの通いやすさは当然のこととして、自分の通いやすさも考えると、駅の近くであることは外せませんでした。
実は、このビルの入り口は表通りから1本入った緑道に面しています。
入口は、表通りに面していたほうが患者さんに分かりやすいのは確かなのですが、表通りにはガードレールがないんです。
耳鼻咽喉科には小さいお子さんも多く通われるので、それでは心配です。
その点、緑道沿いの道は車通りも少ないので安心です。春には桜が咲くんですよ。
それもこのビルにしてよかったことですね。
――開業されて数カ月経ちましたが、立地の点で手応えは?
まず、私自身の通いやすさを実感しています。子どもも習い事の帰りに立ち寄ってくれて、一緒に帰宅できます。
スタッフのうち2名が、この近くに住んでいるんです。
スタッフ募集をかけたところ、駅近という通いやすさにメリットを感じて応募してくれました。地元の雰囲気を分かってくれている、心強い存在です。