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実際に開業を経験したドクターの声をお届けする開業医のリアルストーリー VOL1
開業までにはどのような苦労があったのか?開業してから直面した壁とは?
2018年6月に東京都練馬区の住宅街に皮膚科を開業した「小竹向原こぐま皮フ科」の院長・木曽真弘先生に伺いました。
皮膚科ならではの悩み!? スタッフ教育の難しさ
――その他どのような準備を行いましたか?求人募集は順調でしたか?
診療のとき患者さんにお見せする、疾患の説明を分かりやすくまとめたシートも自分で作りました。
また求人募集に関しては開業コーディネーターの助けを借りました。皮膚科の勤務経験がある医療事務の方、看護士さんが1人ずつ来てくれたのはありがたかったですね。さらにパートの看護師さん2名の体制でスタートしました。
スタッフ教育には一番気を遣いました。やはり患者さん側からしてみたら、きちんとした教育を受けた、知識のあるスタッフに対応してもらいたいと思われるでしょう。
しかし、実際に教えるのは大変です。というのも、皮膚の疾患は病名だけでも膨大にあり、軟膏もたくさん種類があるんです。これはどんな軟膏なのか? どういう人に使うのか? どんなときに薬の強さを分けるのか? 短期間で莫大な知識を身に付けるのは難しいと思います。
そのため、スタッフには今でも診療の合間に、「あれはこういう疾患だからこういう風に説明したんですよ」と繰り返し、丁寧に伝えるようにしています。皮膚科で働いた経験のあるスタッフも教える側に回ってくれているので、心強いですね。
――開業前にどのような宣伝をされましたか?
開院に先立ち、まず内覧会を開催したのですが、これは新聞の折り込みチラシで告知しました。あとは同じ医療モール内の他の科の先生、薬局の方も患者さんたちに、「今度、皮膚科が開業しますよ」とお知らせして下さったようです。
――そして迎えた内覧会は、いかがでしたか?
本当に初めてのことでしたので、不安もありましたが、近所の方が200人以上も来て下さいました。 ご挨拶するなかで、早速皮膚の症状のことで相談を受けることもありましたが、実際、僕が患者さんだったら、「先生がどんな感じの人か?」「自分の症状をちゃんと診てもらえるのか」とても気になると思うんです。 なので、開業前にそういったコミュニケーションがとれて本当に良かったですね。
次回へつづく
内覧会の来場者は200人と大盛況。しかしいざ開業すると、新たな悩みが……!? 後編でお届けします。