5類に変わって、コロナ後遺症の治療の特例加算は可能に
(2023年6月)
5月8日以降、これまでコロナ感染症の患者を外来で診察していなかった診療所でも対応する応召義務が生じることについては、先月のCheck!気になる医療ニュース*1でも紹介した通りです。
連休明け以降、コロナ感染者数の把握は厚生労働省HPか国立感染症研究所HPの週報*2 のみになってしまいましたが、増加傾向にあるのは確かなようです。
加えて、インフルエンザの流行も確認されており、発熱外来では、若い方を中心に、PCR検査とインフルエンザ検査の両方を受けている患者さんも見られます。
しかし、コロナは5類になっても、コロナウイルスが急に弱毒化しているわけではなく、後遺症に苦しむ人もいるわけで、医療機関としては、両面から患者さんをケアしていく必要があるでしょう。
実際、厚労省も、コロナ後遺症治療については、外来等点数が包括されている患者でも算定可能であると通知しています。
「後遺症・罹患後症状に対する治療」については147点の加算が新たに認められました*3 が、対象患者は①コロナ感染症から回復し、コロナ感染と診断された後、3カ月以上経過している、②コロナ感染症の『罹患後症状』が2か月以上持続している、となっており、罹患後すぐから始まる後遺症に完全に対応しているわけではありませんが、これによって少しでもコロナ後遺症の診療をする医療機関が増え、患者さんの困難が減ればいいと思います。
この罹患後期間の算定については、自宅で検査キットで実施した患者さんも多くいると思いますが、その場合は、「患者自ら実施した検査の結果を踏まえ、医師が事後に感染した時期を確認する、感染から3か月経過後も罹患後症状が2か月以上持続している—との両要件を満たす場合には、上記要件を満たすと考えて良い」とされており、柔軟に対応していってほしいと思います。
(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)