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5月8日からはコロナ感染を理由とした診療拒否はできません!


(2023年5月)

4月11日、厚生労働省は事務連絡として、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制の移行及び公費支援の具体的内容について」*1    を各医療機関に通知しました。(別紙Q&Aはこちら*2    ) 

これまでは外来でのコロナ患者の診療は、感染対策等の整備ができた医療機関が中心に担ってきましたが、この通知によると、今後は「新型コロナウイルス感染症に係る医師等の応招義務については、緊急対応が必要であるか否かなど、個々の事情を総合的に勘案する必要がある」としながらも、発熱患者などの診療拒否に対しては、「位置づけ変更後は、制度上幅広い医療機関において対応できる体制に移行することから、『正当な事由』に該当しない取扱いに変わることとなる」とされました。
具体的には、「患者が発熱や上気道症状を有している又はコロナにり患している若しくはその疑いがあるということのみを理由とした診療の拒否は『正当な事由』に該当しないため、発熱等の症状を有する患者を受け入れるための適切な準備を行うこととし、それでもなお診療が困難な場合には、少なくとも診療可能な医療機関への受診を適切に勧奨すること」と指示しています。

これまでコロナ感染症患者を全く診療してこなかった医療機関は、それなりに理由があって診療してこなかったはずです。
しかし、今後は応召義務が生じますから、転院勧奨をするとしても、一度は診療しなければならなくなりました。
入り口が一つしかないなど、適切な動線が確保できない診療所であっても、今後は、少なくともコロナ感染症診療のための空き部屋の用意は必要となるでしょう。

診療報酬についても変更されます。
首相官邸の発表*3    によると、5月8日からの位置づけ変更後の「外来医療費の自己負担軽減」は9月末までとし、「検査の自己負担分の公費支援」は終了となります。

こうした暫定的な診療報酬措置は来年3月31日までは取られる予定です。
その間は、今後の感染拡大に向けた取り組みをどうするか検討しながら、来年度の診療報酬制度の改訂時に特別措置を外すための準備期間となるようです。(変更のポイントをまとめた資料はこちら*4    )

このように、5月8日からはほとんどすべての医療機関でコロナ感染症に対応しなければならなくなります。
これまで新型コロナ感染症の診療を行ってこなかった医療機関であれば、対応変更について、コロナ以外の患者さんへの説明も必要になります。
さらに、高齢者の患者を多く抱える診療所では、コロナ患者の診療だけでなく、高齢者等のワクチン接種は秋冬を待たずに引き続き自己負担なく受けられますので、かかりつけ医として、感染拡大の前に高齢者に積極的にワクチン接種を勧めていくことも重要になるのかもしれません。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


 *1「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制の移行及び公費支援の具体的内容について」厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部(事務連絡 令和5年3月17日 令和5年4月11日最終改正)

*2「別紙Q&A」

 *3「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う 医療提供体制及び公費支援の見直し等について」(令和5年3月1 0日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)

*4「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制及び公費支援の見直し等について(ポイント)」(参考資料)

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