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これから求められるのは、どんなかかりつけ医?

報酬改定が施行され、診療所の大幅減収を危惧する声も。
これから求められるのはどんなかかりつけ医なのでしょうか。

EPISODE 00

これから求められるのは、どんなかかりつけ医?

6月からの診療報酬改定の大きな目玉は、「生活習慣病管理料」です。
今回、生活習慣病の治療や管理を評価する診療報酬で大きな見直しが行われましたが、中でも注目をあびたのが、「特定疾患療養管理料」の対象疾患から脂質異常症、高血圧、糖尿病の3疾患を除外したことです。その結果、「特定疾患療養管理料」の対象疾患は、悪性新生物、甲状腺障害、処置後甲状腺機能低下症、虚血性心疾患など32疾患となりました。

また、検査等の費用を包括した現行の「生活習慣病管理料」を「生活習慣病管理料(Ⅰ)」と名称を変更した一方で、検査等を包括しない「生活習慣病管理料(Ⅱ)」を新設しました。この変更は、かかりつけ医である開業医の収入減をもたらすともいわれています。スタッフへの賃上げも必須といわれる状況で、今後どのように対応していけばいいでしょうか。

生活習慣病管理料Ⅱを創設する狙いとは?

これまでの「生活習慣病管理料」から分離して新設された「生活習慣病管理料(Ⅱ)」にはどんな狙いがあるのでしょう。そして「特定疾患療養管理料」から、糖尿病、高血圧、脂質異常症の3疾患を除いた理由は?

そこには、令和7(2025)年4月の制度施行を目指す「かかりつけ医機能制度」と現状の乖離を是正したい厚労省の意向があるのではないかと考えられます。

「生活習慣病管理料(Ⅱ)」に該当するのは、「薬だけもらえればいいです」と半年に1度、受診するような患者さんです。こういう患者さんに対して、「かかりつけ医機能」を向上させることが、今回の改定の隠れた狙いだと私は考えます。

けれども、こうした患者さんは医者の管理を嫌がる人が多いものです。しかし、今後はこうした患者さんともコミュニケーションを密にして診療計画書を一緒に作成し、4カ月に1度、サインをもらわなければ、診療報酬が得られなくなるわけです。

これからは、患者さんと医師とがいかに信頼関係を築けるかが診療所の行く末を大きく左右しかねません。そして、患者さんが医者を選ぶと同時に、医者も患者さんを選ぶ、そんな時代がやってくるのではないでしょうか。
では、どんなかかりつけ医なら患者さんに選ばれ、また一緒に治療をしていこうと思ってもらえるか、考えていきます。

(2024年7月 the医院開業事務局)


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