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カスタマーハラスメントの上手な対処法
暴力性がエスカレートしている顧客や患者によるカスタマーハラスメントは社会問題になっています。被害が拡大しないための上手な対処法を考えていきます。
EPISODE 00
医療現場でカスハラが起こったら、診療拒否はできるのか?
各地で続々とカスタマーハラスメント防止条例案が提出されています
2024年10月4日、東京都議会では顧客による著しい迷惑行為の防止を目的とした「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」(以下、東京都カスハラ防止条例)を、全国で初めて可決・成立させました。この条例は、2025年4月1日から施行されます。
東京都カスハラ防止条例では、カスハラの一律禁止を挙げており、そのほかにもカスハラ防止に関する基本理念、各主体(都、顧客等、就業者、事業者)の責務、カスハラ防止指針の作成・公表などを定めました。10月末には、顧客向け、従業員向けの普及啓発ポスターを配布し、条例施行に向けての啓発活動を行っています。
東京都のこの動きに続いて、三重県桑名市でも、カスタマーハラスメントをした人の氏名を公表する内容を盛り込んだ「カスタマーハラスメント防止条例」案が市議会に提出されました。 こうした動きに先立って、厚生労働省は「カスタマーハラスメント対応企業マニュアル」を作成し、2023年9月からはカスハラによる精神疾患は労災として認定されやすくなるなど、対応を進めてきました。
客に土下座させられたり、モノを投げつけられたり、怒鳴られたり、昨今のカスタマーハラスメントは一線を越えた模様です。もちろん、医療現場やクリニックでもカスハラは起こっており、カスハラによりスタッフが辞めてしまうという状況も実際に起こっているようです。
応召義務がある医療機関の院長としてこうしたカスハラにどのように対応していけばいいのか。厚労省のマニュアルや東京都の条例などを参考に、今日からできるカスハラ対策を考えていきます。
(2025年1月 the医院開業事務局)