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開業準備「虎の巻」開業トレンド
医院開業マーケットを様々な切り口で分析
これからの開業はどうなっていくのか?
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TPPと外国人の活用、開業とオペレーション
- 開業とオペレーション
次に、医院における開業とオペレーションについて考えたいと思います。開業するとなると不安なことが多く軌道に乗るまでが心配の種です。医院経営をうまく行えば、所得も多くなるがそのぶん雑用が増えます。このような煩わしい仕事をアウトソースする開業方法の1つに医療モールがあります。そこで、合理的な医院開業について考えていきたいと思います。
1.開業で変わる仕事環境

医院を開業するということは、診療から経営まで行わなければならないことを意味します。病院で勤務医をしているのであれば、診療だけを行っていればよかったはずです。開業するとレセプトによる保険請求や窓口会計、経理、労務管理と様々な事務仕事を行わなければなりません。特に、診療を行い月初に前月分のレセプトを作成するのは大きな手間となります。診療を行いながらのレセプト作成は、想像以上に疲れます。
年度末になると会計や税務、雇用保険など様々な業務がまっています。人の採用についてもハローワークへ行ったり求人広告の作成など様々な手間がかかります。
2.診療以外の仕事をアウトソース
診療以外の仕事はアウトソースすることが可能です。医事や受付を行ってくれるサービスは代表的ですがそれらサービスを利用し医事や受付を行ってもらえるということは、日常業務において患者の自己負担や月初のレセプトの請求の心配から解放されます。医療事務の会社に仕事を依頼することで事務員の管理が不要になり、人材を派遣してもらう派遣労働から業務を発注する請負まで医院のニーズに合わせて仕事を行ってもらうことが可能です。

税務会計については、税理士事務所などと調整することで売上から費用の管理、伝票の仕分けまで任せることが可能です。
看護師などの採用についても紹介事業者を利用すれば専門のスタッフがサポートするため簡単にリクルートすることが可能となります。紹介料は年収の20%位と高額ですが緊急の時には大変助かるサービスとなっています。
その他検査については検体検査やレントゲンの読影も委託業者へ任せることができます。
白衣についてもリースにすることで洗いも含めて任せることが出来ます。
医院経営に関するコンサルタントも雇うことで最近の診療報酬に関するトレンドや算定に関するサジェスチョンをもらうことも可能です。
医院や病院を運営するにおいて、あらゆる業務をアウトソースすることが可能であり便利な世の中になっています。
因みに、医療モールによっては、様々なアウトソーシングのサービスが付帯している場合があります。
3.開業にあたって
開業で気を付けなければならないのが、これまで勤務医として診療を行ってきた環境と開業してからの環境が変化します。その一つに、順守しなければならない法律が増加することがあります。勤務医である限り医師法や薬事法を順守していれば問題ありませんでした。しかし、医院を開業した時から医療法や法人税法、労働基準法といった施設を管理する側の順守すべき法律にも配慮しなければなりません。
また、医療事故などを起こせば刑事訴訟のリスクや民事訴訟による賠償といったことも起きえます。そのためには、バックアップ体制のしっかりした開業支援コンサルタントを選定していく必要があります。
これから開業するに当たり不安なことも多いと思いますが、きちんと医療を理解し多くの開業サポートの実績がある会社を選び付き合うことが開業の成功を左右する大事なことかもしれません。
(文責:木村憲洋)