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広告ではなくPRを!クリニックの価値を高めるための戦略法
クリニック経営で一番大切なことは継続です。
院長が看板となり、クリニックの価値を高める上手なPR方法とは
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患者さんに愛され続けるクリニック経営とは?
大繁盛より小繁盛のクリニック
患者さんといい関係を結ぶためには……
だからといって、患者さんに迎合するだけではいい診療はできません。
そこはやはり、クリニック開業に当り、きちんと志を立てられたかどうかが重要になってきます。
丁寧に患者さんに向き合い、気になることがあれば必ず納得のいくまで検査をする。それが患者さんに寄り添う事である。――そう志を立てたドクターがいました。けれども、患者さんの受け止め方は千差万別ですから、ある患者さんにはいろいろ検査して丁寧に診てくれるいい先生であっても、別の患者さんには、検査ばかりしてお金ばかりかかる先生になってしまいます。
しかしこのドクターは、無駄な検査ばかりすると患者さんに文句を言われても、丁寧に診たいという信念を曲げずに診察に当っていたら、腹部大動脈の患者さんと初期のすい臓がんの患者さんを見つけ、今では「隠れた病気を見つけてくれる名医」と言われるようになりました。
一方、親切な先生と言われていたドクターは、休診日に具合が悪くなった患者さんが、たまたま一回だけ急患で別のクリニックにかかったことに腹を立て、翌日、自分のクリニックに診察に来てくれたのにもかかわらず、「ほかのクリニックに行ったのなら、もううちにくる必要はないでしょう」と嫌味を言ってしまったことで、大きく評判を落としてしまいました。
SNSの書き込みや口コミの多くは、対人関係からくる好印象、悪印象です。
患者さんに誤解を与えないためにも、コミュニケーション力を鍛え続けることはクリニックの経営者であるドクターには重要なことです。 元気な人はクリニックには来ません。弱っていたり、つらかったり、苦しかったりするから来るのです。元気なときなら聞き流せる言葉でも、弱っている患者さんにとってはひどく傷つくものかもしれません。
ドクターにとっては、多くの患者さんのなかの一人かもしれませんが、患者さんから見たらドクターはたった一人なのです。まさに、ドクターの人間力が試されています。
最後に、PRは続けなければ忘れられてしまいます。とはいえ、短期間にやり過ぎると、なかなかそのペースで続けることは難しいものです。ですから、長く細く続けられるPRの方法を、ご自身で見つけてください。 一気に患者さんが来るようなPRよりも、患者さんに長く愛されるクリニックにするためのPRのほうが、結果的に効果があるのです。