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広告ではなくPRを!クリニックの価値を高めるための戦略法
クリニック経営で一番大切なことは継続です。
院長が看板となり、クリニックの価値を高める上手なPR方法とは
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PRが成功したドクター 本田先生のケース その2
専門性を極めて、差別化をはかる
親の介護を機に、東京の大学から宮崎に戻ってクリニックを開業した本田先生。それまでの経験を活かし、糖尿病治療に力を入れて行きました。地元の病院と協力して、血糖値コントロールと血管病の関係について調べていくことになりました。
地方から糖尿病治療を変えるという志をもつ
2008年2月6日、アメリカで行われた糖尿病治療研究「アコード試験」の結果が報告されました。糖尿病患者の血糖値を厳格にコントロールした方が、そうでない場合と比べて生存率は高くなるはず、という当たり前のことを証明するための試験でしたが、結果は予想を裏切るものでした。血糖値を厳格に下げて、正常化させたグループの方が、死亡率が22%も高くなったのです。
この結果を読んだ本田先生は、「あ~、やっぱり私の違和感は正しかった」と、自身の治療により自信をもったと言います。というのも、地元病院の協力のもと、進めていた調査でも、同様の結果が出ていたからです。ただし、自分の調査は規模が小さかったこともあり、「きちんとした裏付けがあれば……」と考えていたところに出た、「アコード試験の結果」だったのです。
それからの本田先生は、精力的に「本田流の糖尿病治療」を進めていきました。それは、(1)血糖値のコントロールはゆるやかでOK、(2)食事療法よりも運動を、(3)場合によってはインスリン注射を止められるケースもある、の大きく3つです。
その後、この治療法について学会で報告もしました。反響は今一つでしたが、大学病院時代の先輩や同僚からは「新しい考え方だから、本にしたらどうか?」とアドバイスをもらいました。