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危機感が国民と共有されないコロナ第9波の実態


(2023年8月)

新型コロナ感染症が5類に移行してから2カ月となる7月5日、日本医師会の釜萢敏常任理事は定例記者会見で、「現状は『第9波』になっていると判断するのが妥当ではないか」との見解を示しました。*1  
「5類への変更後、一貫して全国で徐々に増えているのは変わらない。ほとんどの県で、5月よりも6月のほうが報告数が増えており、沖縄県の感染者の増加が非常に著しい」と、沖縄での感染拡大を指摘し、今後は東京、大阪などでもじわじわと拡大していく可能性にも触れました。
連日の猛暑もあり、マスクを外す人が増えているだけでなく、飲食店などでも消毒液を撤去し始めており、人びとのコロナに対する緊張感がなくなってきたことも、感染拡大の要因だと考えられます。
特に若い人では、ちょっとのどが痛いという程度ですぐに治ってしまう人も多く、文化祭や体育祭後にクラスターを発生したケースも報道されていました。*2 

また、体調不良でも典型的なコロナ感染症の症状でないためにコロナと診断されない、もしくは自身で行った抗原検査が陰性だったため、コロナ感染症に罹ったと気づかずに、感染を広めているケースもたくさんあるのではないでしょうか。
実際、オミクロン株の流行以来、特に小児科では指摘されていましたが、症状が嘔吐や下痢だったため胃腸炎と診断され、コロナ陽性だったにもかかわらず、出席停止にならずに保育園に感染を拡大させてしまったという事例が、昨年すでにニュースになっていました。*3 

コロナの嘔吐や下痢症状については、日本消化器病学会の健康情報誌「消化器のひろば」でも、「発熱や咳・痰といった呼吸器系の不調が症状の中心にあり、そこに下痢などの消化器症状も同時に起こっていた、というケースが多くなりますが、消化器症状を主訴に来院しCOVID-19と診断された例も約3%認められた、という報告もあります」と紹介されていました。*4 

このようにコロナはまだまだ終わっていない感染症ですが、5類になったことで、一般のクリニックにも患者さんが受診するようになり、これまでコロナ患者を一度も診てこなかった医師が診察をしなければならなくなりました。
もちろん、コロナ関連の情報を追っていて、最新の情報にも明るい医師もたくさんいるでしょうが、そうでない方もいるでしょう。さらにPCR検査が有料になったことで、費用の面から検査を渋る患者さんもいるでしょう。
プライマリケアを担う開業医だからこそ、発熱や咽頭痛、咳などの症状がなくても、あやしいと感じた患者さんにはPCR検査を進めていただきたいと思います。
コロナウイルス感染症について情報を得たいときは、厚生労働省のHPに医療機関向けの情報一覧*5 があるので、便利です。

さて、コロナ後後遺症については、この連載でも何度か取り上げていますが、日本でもその症状がようやく認知され、各自治体のHPなどでコロナ感染症後遺症外来の情報を探すことができるようになっています。
こうした動きは、日本だけではありません。ドイツでも、「電話窓口や最新の知見を伝える専用サイトを設置し、医療体制の確立に約4000万ユーロ(約62億円)を充当する」ことが発表されました。*6  
WHOによると、欧州では30人に1人がこうした(持続的な疲労感や認知・睡眠の障害など)健康問題を抱えている可能性があるそうです。

5類になったからといっても、「コロナはただの風邪ではない」ことを忘れないようにしたいものです。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


 *1 「定例記者会見(2023年7月5日)新型コロナウイルス感染症の状況について」釜萢敏常任理事 

 *2 「高校生77人が感染、休校に 数日前に感染対策し体育祭や文化祭を開催、集団感染の原因不明」埼玉新聞2023年6月9日配信 

 *3 「PCR検査せず“胃腸炎と誤診断”も、オミクロン株で子どもの嘔吐など急増か」(2022/04/14  TBS NEWS DIG Powered by JNN)

 *4 「気になる消化器病 新型コロナウイルス消化器症状」(健康情報誌「消化器のひろば」No.18)

 *5 「医療機関向け情報(治療ガイドライン、臨床研究など)」厚生労働省HP  

 *6 「コロナ後遺症支援に本腰=相談・医療体制確立へ―ドイツ」2023年7月15日時事メディカル 

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