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新型コロナウイルス感染症流行下における調剤診療報酬の加算とジェネリック医薬品の事故


(2021年1月)

本格的な寒さの到来とともに、コロナ感染症が大流行しています。

昨年の夏以来、秋冬の大流行に向けて対応を!という医療現場からの声がまったく届かず、
旭川、大阪の医療崩壊の危機にもGoToを辞めなかった菅首相ですが、支持率が急低下するに至って、やっとGoToの一時停止に踏み切りました。
政府の対応は遅きに失したと言えますが、コロナ患者を受け入れているような地域の中核病院を医療崩壊させないためにも、今こそ街のかかりつけ医が活躍する時ではないでしょうか?

市中感染拡がる中、受診される患者さんすべてをコロナ感染者と疑って対応することが必要です。
厚生労働省から発表された手引き           *1を参考に感染症予防策を講じることで、外来診療の加算等も可能になりますので、
かかりつけ医がきちんと対策を取り、地域医療を下支えしていただくことが、医療崩壊を食い止める一番の方策です。

一方で、コロナ禍の受診控えにより、今年度の診療機関のレセプト件数は軒並み減少しています。
6月以降、下げ幅に回復が見られましたが、小児科、耳鼻咽喉科はいまだ前年同月比7割と厳しい状況              *2です。

そんな中、12月18日に開催された中央社会保険医療協議会の総会でも、コロナ感染症対策に係る評価として、診療報酬の加算について話し合われました。
これまでも厚生労働省はコロナ対策として、様々な特例措置を取ってきましたが、
特に小児に対する診療と、新型コロナウイルス感染症回復後のリハビリや後遺症を訴える患者さんへの継続的な治療の必要性から、今回診療報酬の加算を決定しました。

さらに2021年4月からは、すべての患者さんに対して、処方箋の受け付け1回に当たり4点の調剤報酬加算も決まり、薬局への支援も始まります。
処方箋に対しての医科の診療報酬については、令和2年度の診療報酬改定で「後発医薬品使用体制加算」のハードルが強化され、
後発品置換え率が70%以上に引き上げられましたが、そんな中、大変気になる事実が明らかになりました。

水虫薬「経口抗真菌剤イトラコナゾール錠50「MEEK」」を服用した、首都圏に入院していた70代の女性が死亡したというニュース *3は記憶に新しいと思います。
この事例の他にも、健康被害や自動車運転中の事故なども確認されており、製造した小林化工の手順違反などが明らかになっています *4。

ジェネリック医薬品が普及し、利用する患者さんも増えてきた中でのこの事故。
新型コロナウイルス感染症による医療費増大に対応するため、厚生労働省や全国健康保険協会は、ますますジェネリック医薬品の使用を進めていくでしょう。
しかし、小林化工が起したこの事故は、決して特殊なことではなく、人手不足、人材不足が今後も続くならば、どの会社でも起こりうるヒューマンエラーだとも言えます。

患者さんが安心してジェネリック医薬品を服薬するためにも、原因究明が待たれます。

(文責:ブランディング・エディター 内田朋恵)


*1 「新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き 第4版」

*2 「新型コロナウイルス感染症への対応とその影響等を踏まえた診療報酬上の取扱いについて」中央社会保険医療協議会 総会(第470回 令和2年12月18日)

*3  東京新聞TOKYO Web「睡眠剤混入は7月ごろ 担当者「記憶にない」 小林化工の水虫薬服用の女性死亡」2020年12月13日 09時26分配信

*4  産経新聞THE SANKEI NEWS「業界関係者「普通は起こらない」ミス次々と判明 小林化工」 2020年12月17日21時26分配信

 

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