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開業後の知識クリニックスタッフの定着率を上げるために
the医院開業のクリニックスタッフの定着率を上げるための対策解説ページ。スタッフが退職する理由として上位に挙がるのは、「収入」もありますが、「職場の人間関係」や「仕事内容」なのです。 その点に着眼した医院におけるスタッフ定着のポイントをご案内します。
医療業界は売り手市場?
- 人手不足感が強い医療業界では、特に売り手市場が長年続いております。
- 医師や看護師等の有資格者はもちろんのこと、 医療事務についても優秀な人材はなかなか採用できません。
- 採用ができないとなると、既存のスタッフには出来る限り長く働いてもらうことが 非常に大切になってきます。
- さらに採用にかかる手間からも解放されます。
スタッフの退職理由で最も多いのは賃金でしょうか?
- いいえ、スタッフが辞める理由はお金ではなく、人間関係や勤務時間、お休み等の仕事面が多いのです。
- 定着率をアップするポイントを探るには、まずスタッフがどんな理由で辞めるのかを知ることが大切です。
- スタッフの退職理由に関する調査結果を以下にご説明いたします。
個人の状況による退職理由
- 妊娠や出産
- 結婚
- 子育て
- 自分の健康
- 転居
職場の状況による理由
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- 長時間の勤務
- 夜勤の負担
- 医療事故の不安といった重圧感
- 休暇が取れない
- 上司との関係
- 従って、まずはスタッフ間の挨拶の励行や朝礼・定例ミーティングを開くなどして「コミュニケーションの活発化」を促進したり、特定のスタッフに過度な負担がかからないよう「役割の明確化」を進めて、働きやすい職場作りをしていくことが大切です。
上記以外にスタッフの定着率をアップする3つのポイントを以下にご説明いたします。
スタッフ定着化の3つのポイント
1. 社会保険完備
- 求職時からしてそうですが、スタッフは少しでも良い条件の勤務先で働きたいと思うもので、社会保険もその一つの要素です。
配偶者の扶養に入っているパートスタッフは別として、常勤スタッフであれば、保険料の半分を事業主が負担してくれるうえに、国民健康保険より給付内容が良いために、魅力に感じるスタッフが多いようです。 - 現在、社会保険未加入のクリニックであれば、スタッフの定着率向上のために加入を検討してもよいでしょう。
しかし、前述したとおり、保険料の半分を事業主が負担しなければならないため、人件費が大きく増加しますので、慎重に検討することが大切です。
2. 退職金制度
- 退職金の支払いは法的義務はなく、あくまでも事業主が任意で決めるものです。
かつて我が国で終身雇用が主流だった時代には退職金はあって当たり前のものでしたが、バブル崩壊後に退職金制度は徐々に廃止されるようになりました。
ところが、昨今の少子化・人手不足の傾向で退職金制度が再び注目されるようになりました。
クリニックにおいても、退職金制度をきちんと整えることで、他院との差別化を図ることができます。 - 退職金制度にはいくつかの種類がありますが、初めて導入する場合には、中小企業退職金共済制度(以下「中退共」といいます。)を選択するケースが多くなっています。
3. 教育・福利厚生
- 賃金や退職金以外にも教育体制や福利厚生を充実させることで、クリニックで働いているスタッフにメリットを感じてもらえる方法もあります。
教育については、研修・学会の参加促進や資格取得支援などがあります。
人材育成に熱心なクリニックと、勉強好きで向上心のあるスタッフであれば、双方にとって望ましいことです。
しかし、無制限に支援を広げると業務に支障をきたすこともあるので、研修・学会参加規定などを作成して、取得回数やクリニックが負担する費用、労働時間の扱いなどのルールを取り決めておきましょう。 - 福利厚生については、クリニックが会費を負担することで、スタッフがレジャーや趣味、健康作りに関する各種サービスの割引を受けられるプランに人気があります。
特に女性スタッフには喜ばれるようです。
福利厚生プランといえば、費用が高くて大病院でなければ無理というイメージもあるかと思いますが、昨今は個人のクリニックでも加入しやすい安価なプランもあるので、是非ご検討下さい。
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