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患者さんの本音―先生が変わってもそのまま受診を続けた理由

河合さん(仮名)70歳の場合


都内多摩地区に在住の河合さん(仮名)70歳は、糖尿病で月に2回、徒歩で5分ほどの内科の個人医院に通院しています。

その病院への通院歴は30年以上で、息子さん夫婦、お孫さんと3世代、ご家族全員が長年、かかりつけ医にしてきました。

しかしちょうど1年前、高齢のため医師が引退し、別の医師が経営することになりました。
近所には他にもたくさんの医院があるのに、それでも同じ医院に通い続けている河合さんに、その理由や、経営者が変わったことによる変化などのお話をお聞きしました。


3世代のご家族全員が同じ内科に通っている河合さん。
医者が世代交代したかかりつけ医院には安心して変わらずに通院してもらえる医院側の工夫がありました。

同じ医院に
もう30年以上も通っています。

通院のきっかけは、なんといっても近いことです。
今の私の足でも5分で着きますから、息子や孫は、2〜3分で着いていると思います。

でも30年もみてもらっていると、先生も私もお互い齢をとりますし、先生にいつまでみてもらえるか心配でした。

嫁とも、他の医院を探したほうがいいかもね、などと話していたんですよ。

イメージ

1年半ほど前だと思いますが、
新しい先生が週に何日かいらっしゃるようになったので、「いよいよ息子さんの代になるのかな。それなら安心ね」なんて思っていたのですが、よくよく話を聞いてみたら、息子さんでも、親戚でもなく・・・。

いったい誰なのか、この先どうなるのかを看護師さんに聞いても、はっきり教えてくれなくて、「先生、お齢だし、しばらくお手伝いに・・・」なんて言うものだから、「いよいよ閉院?早く他の医院をさがさないと・・・」「どこがいい?」なんてね。ご近所中の噂になりました。

うちは家族全員で先生にみていただいていたので心配になって、嫁は次の先生を見つけようと他の医院の様子をうかがいに行っていましたね。

でもしばらくしたら、若い先生も感じのいい方だということがわかってきたんです。

待合室で他の患者さんとも「このままずっと、若先生もいてくれたらいいのにね」という話をするようになったころ、老先生が引退して、新しい先生が経営する病院に変わったんです。

どうやら二人で診察していた半年ほどは引継ぎ期間で、私たちに安心してもらえるようになったら交代しようと思っていたようです。

「なぜ、安心できたか?」ですか。
この10年ほどは、糖尿病のため月に2回定期的に通っていますが、若先生は、糖尿病以外の病歴もすぐにちゃんと覚えてくださいましたし、私が、ゲートボールが大好きだとお話ししたら、次に受診したときに、「ゲートボールの調子はどう?最近暑くなったから、外に長い間出ているときは、水をこまめに飲んでね」と声をかけてくださいました。

それに、私が行くと、ちょっと前に受診した孫の様子を尋ねてくださるし、
孫がインフルエンザになったときは、嫁に「おばあちゃん、予防接種していないよね。気をつけてね」と心配してくださるし・・・。
その場にいない家族の健康状態にまで気にかけてくださっていることが、すぐにわかりました。

私の体調についても、いまの状態だけでなく、長い目でみてくださっているし、暮らし全般に配慮してくださっていますよね。

しかも、家族のことも含めて考えてくださっている・・・
こういうのって、うれしいですよ。

それに、看護師さんや事務の方がほぼ全員がそのまま新しい医院に残ったというのも、ホッとしましたね。
みなさんが、私のことを、冷房が苦手だとか、忘れ物をよくするとかを覚えてくれて、冷房が入っていると、黙っていてもひざ掛けを貸してくれるし、帰り際には「忘れ物しないように、気をつけてね」と一声かけてくれます。

こういう心配りをしていただけるのって、いつもの看護師さんや事務の方がいてくれるからですよね。

病気をもっているとちょっとした変化にも不安になるものなんですよ。

その点、先生は変わったけれど、
いつもの病院に行って、いつものスタッフに迎えられて、いつもどおりに診察してもらえるって、 余計なことを考えなくていいでしょ。
ものすごく安心しましたね。

現在、開業医の全国平均年齢は60歳。

今後その平均年齢は上昇し続け、2020年には65歳になると推定されています。

しかも、半数以上の診療所には跡継ぎがいないともいわれている中、
若い医師が高齢の医師から既存の医院を譲り受けて開業をするケースもあるかもしれません。

その際は、元の医師と患者さんとの関係を把握するための引継ぎ期間を設ける、看護師をそのまま雇用するなど、診療の環境を大きく変えないことが、患者さんに安心して通院を続けてもらえるためのポイントとなるようです。

「先生が変わってから、患者さんが増えた」と言う河合さん。後半では、患者が増えた理由を探ります。

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