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メディカルツーリズム

  1. メディカルツーリズムとは?
    メディカルツーリズムは全世界で500〜600万人!?
    日本のメディカルツーリズムの課題を3つの視点で整理します

2009年から話題となっているメディカルツーリズム、ここ最近ではあまり盛り上がっていないような感じがします。鳴り物入りで始まったメディカルツーリズムについて検証するとともに、医院にとってメディカルツーリズムがどのような影響があるのかについて検討したいと思います。


1.メディカルツーリズム

メディカルツーリズムとは、医療を受けるために国外へ出国する人とそれを受け入れる医療機関による医療サービス提供に関することを差します。前者はメディカルツーリストとも呼ばれています。
メディカルツーリズムは、2009年頃から経済産業省が日本の雇用創出や産業活性化のための方策の1つとして始めた調査事業です。メディカルツーリズムによるツーリストは、全世界で500〜600万人とも言われ、近い将来1000億ドルを超えるといわれています。


2.国際メディカルツーリズム調査報告書

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2010年には経済産業省が「平成21年度サービス産業生産性向上支援調査事業」において「国際メディカルツーリズム調査事業報告書」を公表しています。

この調査事業の趣旨では、日本の医療の費用対効果が高いことと医療技術水準が高いことなどから日本におけるメディカルツーリズムの可能性を探るものとなっています。この報告書の中では実際に2010年2月10日から3月8日に9医療機関の協力を得て外国人24人を受け入れています。この外国人の受け入れは人間ドックや健康診断を中心としていたため、医療行為を行う本来のメディカルツーリズムとは少々異なった形となっています。

この調査報告書では、日本におけるメディカルツーリズムについて課題を表1のように来日前、日本滞在中、帰国後の3つの視点により整理しています。

表1 報告書におけるメディカルツーリズムの課題
来日前の課題
  • 既存チャネルでは、富裕層への直接プロモーション
  • 外国人顧客からの情報収集
  • 外国人顧客への情報提供
  • 国際医療サービス支援センター窓口の医療知識
  • 国際医療サービス支援センターの体制
日本滞在中の課題
  • 言語・文化・生活習慣の違い
  • 医療通訳によるサポート
  • 外国人に対するサービスの在り方
  • 外国人受入に伴うリスク管理方策の整備
帰国後の課題
  • 医療機関外部で診断書翻訳を行うことに対する信頼性の確保
  • アフターフォロー体制が確立していない

経済産業省,国際メディカルツーリズム調査事業報告書,平成21年度サービス産業生産性向上支援調査事業

(1)来日前の課題

日本はメディカルツーリズムにおいて後進であるため認知度がありません。そのため、アジアなどの富裕層へのアプローチが出来ていないためアプローチ方法に改善の余地があるとしています。また、外国人顧客のニーズや顧客情報が誤って医療機関に伝わっていたことや外国人顧客に、訪問する医療機関の特徴といった情報が正確に伝わっていなかったため良いサービスを提供できなかったり、検査内容などの事前説明が不十分であるといった国際医療サービス支援センターの医療知識不足や人材不足の問題がありました。

(2)日本滞在中の課題

コミュニケーションの課題として医療機関内の表示が日本語であるため通訳がないと行動や受診が困難で生活習慣の違いによる指導が難しいといったこと、医療通訳の信頼性の課題、サービスについては、アジアから評価があったがアメリカからの顧客からは富裕層に対するサービスの不足が指摘されたそうです。また、外国人への医療提供に対するリスク管理についても指摘されています。

(3)帰国後の課題

人間ドックなどの報告書を国際医療サービス支援センターが翻訳・作成し送付したが、翻訳の質が悪いとの指摘や人間ドックなどで異常所見があった場合の対応をどのようにするのかといった課題が指摘されています。

この報告書には、他国でのメディカルツーリズムの状況と医療費などが記述されています。シンガポールとタイのメディカルツーリズムと医療行為に対する価格について説明します。

シンガポール

シンガポールにおけるメディカルツーリズムの例では、アジアなどの他国の医療機関の医師からシンガポールの医療機関へ事前連絡し、患者情報として症状や加入している保険会社の情報をやり取りします。その後、シンガポールの病院が保険会社と保険でカバーする範囲を確認し患者さんの搬送を手配します。その後、医療サービスを受けます。 医療費は、上部内視鏡が約3万円、下部内視鏡が約7万円、ポリペクが約1.5万円だそうです。

タイ

シンガポールと同様に他国の医療機関から紹介を受け病院と連絡を取りながら病院へ来院します。 医療費は、上部内視鏡が約3〜4万円、下部内視鏡が約4〜6万円、CT(心臓)が約5〜7万円だそうです。

シンガポールとタイの医療費と日本の医療費を比較すると日本はとても安いことがわかります。因みに、日本の上部内視鏡が800〜1,140点、下部内視鏡が900〜1,550点です。

参考文献:
経済産業省,国際メディカルツーリズム調査報告書,平成21年度サービス産業生産性向上支援調査事業
http://www.meti.go.jp/policy/servicepolicy/H21%20medical%20tourism%20report.pdf
日本政策投資銀行,進む医療の国際化-医療ツーリズムの動向-
http://www.dbj.jp/topics/report/2010/files/0000004549_file2.pdf

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