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新しい開業形態

  1. 変わりゆく開業
    メスを捨てない開業!?在宅専門の開業!?

1.変わりゆく開業

開業しても当直をしながら営業している医院もあるくらい開業にたいしても気を使わなければならなくなりました。開業医は儲かるという幻想が詳細なプランを練らず開業していくことにつながっているようです。開業は、医師にとっての起業です。いくら失敗する確率が低いとしても実際に医院が破たんする場合もあります。

開業医が失敗しないようにするためには、マーケティングにおける7つのPと資金繰り、経営に関するちょっとした知識が必要となります。

後編では、最近の成功している事例として変わった開業形態について紹介いたします。


2.メスを捨てない開業

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外科系の医師が開業する時は、外科系だけでなく内科を標榜することで外来患者を誘引する必要があります。しかし、最近の開業では、医院を開業し近隣の病院へ自院の患者を持ち込みにより手術するオープンシステムの発想で開業することも増えてきました。

時代は、病院から医師が減少し、外科医が減少しています。そのため、非常勤でも手術に来てくれることは病院経営にとっても好ましいことなのです。そこで、非常勤扱いで手術のために患者を連れて来院する医師から手術のアルバイトで来院する医師もいます。

そして、病院もこれまで非常勤として給与制で契約してきた形態から手術の点数に比例した出来高で契約するところも現れてきたのです。手術の出来高は、手術手技の点数の3割から8割程度で契約されています。病院によっては8割以上で契約しているところもあります。

診療所から患者持ち込みによる手術の場合、病院のメリットは、手術室やベッドも稼働し、手術に付随する検査なども行われるため大きな収入となることです。手術が増えることにより手術料以外の病院への収入が増加するので、手術料を全て非常勤の報酬としても病院にはメリットがあります。また、医師不足である現状を考えると手術を行ってくれる医師が病院へ来院してくれることは病院にとっても助かります。
開業する医院にとっては、手術により収入が得られるため、開業し外来が少ない時から経営が安定することになります。さらには、手術を行う連携病院の大型機械も共同利用できるため診療の質も向上します。

メスを捨てない開業を6P+Vの視点で見ていくとPlaceとProcessの視点で差別化をしています。Placeは、自院の患者を持ち込み手術を行うという診療方法、Processは病院と連携し主治医が自ら執刀するということで紹介された先で患者さんが信頼関係を一から作る必要もなくなります。


3.在宅専門診療所

これまでの開業は、外来患者を中心として医院の経営は考えられてきました。しかし、現在では都市部を中心として在宅医療中心の開業形態が増加しています。
在宅医療中心の診療所は、在宅医療が注目され始めた1998年ごろから登場してきました。外来を行わず在宅における訪問診療のみを行う形態です。一般的な内科のクリニックが在宅医療を行う場合は、外来の休みとなるお昼の時間帯や外来が休診となる時に行われます。しかし、在宅医療中心のクリニックでは外来は一切の診療を行わず訪問診療にのみ集中して医療サービスを提供します。

在宅医療へ集中することは、画像診断機器や検査機器が必要なく、患者さんが来院するための立地を考える必要がありません。そのため、繁華街や住宅地、幹線道路沿いといった人が集まる立地を選択する必要がありません。どちらかというと駐車場が確保できたり、少しわかりにくい賃料の安い場所の方が経営上は都合が良くなります。大抵は、雑居ビルの上の階を借りて小さい看板を出しています。

このため在宅医療中心の医院は、開業時の資金が少なく済みます。マンションを賃貸し、改装もせず、医療機器も最低限度の往診用のセット、医薬品や医療材料も最低限度、看護師や事務員も採用せず、パソコンと電子カルテで開業することができます。このような形態で開業するのであれば、数百万円から開業することが可能です。ランニングコストについても患者が少ないうちは自分の給与を少なくすればいくらでも下げることが出来ます。開業するにはローリスクなのです。

在宅専門診療所が成功する理由は、需要に対する供給が少ない点と在宅医療に対する点数が高いこと、開業時の資金とランニングコストが安い点にあります。
急性期病院はDPCなどにより早い退院を望み在宅医療へと紹介していきます。そのため、安心して紹介できる在宅専門診療所があれば積極的に紹介していくこととなります。

診療報酬点数も在宅医療については、2000年以降優遇され診療報酬点数も申し分ない基準となっています。現在では、訪問診療の中心となる「在宅時医学総合管理料(在宅療養支援診療所であり処方箋を交付する場合)」は患者一人当たり1月4,200点と高額なのです。在宅時医学総合管理料については、安定的な患者さんを中心として月2回以上の訪問を行っている場合に算定できます。
このため在宅中心で医院を運営している場合は患家を効率的に回ることで高収入を得ることが可能となります。

在宅専門診療所は、6P+Vの視点では、他の医院との差別化はPlaceとProcessの視点だけとなっています。Placeは、訪問することで診療方法で他医院に優位に立ち、Processは地域医療連携となります。

総括

開業が飽和状態となっている昨今、各診療科において様々な差別化が必要となってきます。マーケティングの7つの要素を踏まえて他との差別化により成功しましょう。

(文責:木村憲洋)

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