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開業準備「虎の巻」開業トレンド

医院開業マーケットを様々な切り口で分析
これからの開業はどうなっていくのか?

FILE 007

新しい開業形態

  1. 開業もマーケティングの時代
    医院の開業もマーケティングを意識すると成功がより身近なものに!

一国一城の主として、開業は医師として1つのターニングポイントであることは間違いありません。これまで所属した医局や病院から独立することは、診療だけを行えばよかったシステムの整った環境から、全て自分がやらなければならない環境へと変化します。また、これまで仕事上でリスクを取るのは治療だけであったものが、経営についてもリスクを取らなければなりません。このような環境が激変する中で開業を失敗しないようにするために様々な開業形態が増えてきました。その中で、在宅医療専門の医院や病院へ自院の患者を持ち込み手術する医院も増えています。今回は、この2つの医院の形態について説明したいと思います。


1.医院の開業

医院の開業は、医療法で規定されています。詳しい施設に関する事項は、医療法施行規則に規定されています。
医療法と医療法施行規則によると病院に関する施設基準として医師や看護師などの医療従事者に関する配置、各科の専門診療室、手術室、処置室などを設置することが定められています。

一方で、医院については特に定めがありません。医院に関する医療法などの規定があるとすれば、「第十条の病院又は診療所の開設者は、その病院又は診療所が医業をなすものである場合は臨床研修等終了医師に、歯科医業をなすものである場合は臨床研修等終了歯科医師に、これを管理させなければならない。」「第十八条の病院又は医師が常時三人以上勤務する診療所にあっては、開設者は、専属の薬剤師を置かなければならない。但し、病院又は診療所所在地の都道府県の許可を受けた場合は、この限りでない。」との部分となります。 医院の開業は、病床などが規制されている病院と比較すると開業しやすくなっています。


2.医院の開業トレンド

医院の開業トレンドは、連載のFile2の前篇で説明したように開業数と廃業数が拮抗してきたため医院数は増加していません。残念ながら「開業が必ず成功する」とは限らない分、開業を成功させるためには、どのような開業をしていくのかといった開業の仕方が重要な要素となります。

これまで開業というと土地を取得し、医院の建物を建設し、専門を生かして医業を行っていくことが重要でした。医局のある大学の近隣や地元へ帰って開業すると時間とともに患者が増加し、経営は徐々に安定していきました。しかし、約10万医院の時代となり、診療報酬でも医院に対して厳しくなりつつあります。このような時代においては、マーケティングを重視し、時代に沿った開業を行う必要があります。

医療経済実態調査によると平成23年6月の医療法人立の無床診療所の医業収益1,213万円、医業費用が1,185万円となりました。平成21年6月は医業収益が1,077万円、医業費用が1,064万円であり、医院に関する診療報酬が減らされ経営が厳しいといわれているわりには増加しています。個人の医院では、医業収益655万円、医業費用482万円とされているため、個人の医院が開業の浅い診療所が多いと想定すると開業してすぐは、既存の医院と比較して経営が厳しいと考えられます。


3.開業もマーケティング

医院の開業もマーケティングを意識すると成功がより身近なものとなります。マーケティングとは、製造業やサービス業で商品やサービスを売ることを目的とした視点です。そして、このマーケティングで重要なポイントが7つのPといわれる7Pとなります。私はこの7Pを医療機関経営に応用するに当たり6P+V(表1)としています。

要素 医院経営の資源
Product 診療科、医療技術など
Place 立地、診療日、診療時間、診療方法など
Promotion 広報、健康教室、パンフレットなど
People 従業員、患者、地域住民など
Physical evidence 施設デザイン、制服、ブランドマークなど
Process インフォームド・コンセント、地域医療連携など
Value アメニティー、待ち時間など

表1 6P+V

マーケティングの世界でいう7PとはProduct、Place、Promotion、Price、People、Physical evidence、Processです。医療は、Priceが診療報酬であり変動することが出来ないためPriceではなくValueという価値を高めることと私は考えています。

次に、6P+Vについて説明していきたいと思います。まず最初にProductです。Productは、製品であり医療に馴染みがないと思われますが、医院経営におけるProductは提供する医療であり診療科や治療方法などの医療技術となります。診療科によって患者の数にも影響します。次に、Placeです。Placeは立地についてです。医院の立地や診療日や診療時間時といった患者のアクセスに関することがPlaceとなります。立地は他の医院とProductで差をつけられないときに重要になります。また、診療日や診療時間によっても患者さんの来院動態がかわります。水曜日や木曜日より土曜日や日曜日の方に患者さんが来院する可能性は高まります。また、患者さんのアクセスについては、訪問診療という診療方法を変えることでPlaceを劇的に変化させることも可能です。

3つ目のPromotionは、広報に関することとなります。医院は広報をすればするほど地域へ認知されていきます。そこで、広報誌の作成や健康教室、パンフレットなどにより地域へ浸透していくようにします。地域へ浸透し認知されることで医院へ来院する患者さんが増えていきます。4つ目のPeopleは、従業員や患者さん、地域住民となります。看護師や事務員といった従業員への技術や応対といったことです。これは従業員教育の結果となります。また、患者さんや地域住民に対する教育などにより受診がスムーズになったりします。

5つ目のPhysical evidenceは医院のデザインや制服、医院のブランドマークとなります。6つ目のProcessは医療提供過程であり、IC(インフォームド・コンセント)による患者さんの治療への参加や地域医療連携による質の高い医療を提供することとなります。

最後のValueについてですが、医療の価格は診療報酬で決められています。そのため同じ価格を払ったとしてもより価値の高い、いわゆるValueが高くなるようにしていくことが差別化となります。Valueはアメニティーを向上させたり、待ち時間を短縮する努力といった他の医療機関と同等の医療を受けたとしてもお得感が高い部分を目指すことで高くなります。

開業についてもこれらの6P+Vを組み合わせることで他医院との差別化を図っていくことで成功へと導かれていきます。

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