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診療報酬点数と改定対策

  1. 診療報酬点数をみてみましょう!
    診療報酬点数を賢く見て点数算定漏れがないようにすることがポイント!

後半では、診療報酬点数を賢く見ることで点数算定が漏れないようにしていくと同時に、売上アップのお手伝になるような診療報酬の実際について説明します。


1.診療報酬点数を賢くみていく

①外来診療

外来診療については、図3と図4が基本的な構造となります。初診か再診か、6歳以上か未満か、通常診療時間か夜間・深夜・休日祝日かこれが外来診療に関する基本ロジックです。医院の売上における初診料や再診料の占める割合は大きいためきちんと知っておくことで効率的な算定が可能となります。

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図3 初診料のしくみ(出所:医療費のしくみ)

その他、診察料で知っておくべきことは、夜間早朝等加算(50点:届け出が必要)です。こちらは、診療所のための加算です。平日は18:00以降、次の日の朝8:00までの時間(土曜日は12:00以降)に診察した場合に加算されます。この加算のいいところは、初診料であっても再診料であっても標榜診療時間内に算定できることなのです。

例えば、20:00まで診療を行っている医院では、18:00から20:00まで算定できるようになります。また、これまでは土曜日の午後や日曜日に診療をしている医院では時間外加算などが算定できなかったのですが、日曜日に診療を行っている場合にはこの加算が算定できることとなりました。

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図3 初診料のしくみ(出所:医療費のしくみ)

さて、夕診を行っている医療機関から患者が切れないのでこの加算を算定しにくいといった話があります。もし、可能であれば午後診を16:30までの受付とし、加算の算定できる夕診を17:30からの受付とすることで算定に関するメリハリがつくはずです。

また、住宅街に位置する診療所では、土日の診察をすることで集患や増収に結び付けることが可能です。

②在宅医療

在宅医療については、訪問に関して細かく診療報酬点数が記載されています。診療報酬点数を読んだだけでは理解し難いので、図示してみるとわかりやすくなります。

在宅医療算定のロジックは、計画的かそうでないか、月に2回以上訪問するかそうでないか、ターミナルケアかそうでないか、特定施設かそうでないかに分けられます。計画的でない訪問は往診となり、計画的な訪問は在宅療養支援診療所を中心としているため診療報酬点数は在宅療養支援診療所が優遇されています。

例えば、在宅時医学総合管理料は処方箋を発行する場合をみると在宅療養支援診療所が4,200点/月、在宅療養支援診療所でない場合は2,200点/月となっています。このように2,000点/月の差がつけられています。患者の信頼や収入の面から考えると在宅医療を行うためには在宅療養支援診療所になることは避けられないのです。

また、高専賃などの老人施設は、特定施設と定義されています。この特定施設は、在宅時医学総合管理料と同様の医学的管理を行った場合に、特定施設入居時等医学総合管理料が算定できます。先ほどの在宅時総合医学管理料の院外処方船の4,200点/月と比較すると特定施設入居時等医学総合管理料は3,000点/月と1,200点/月低くなっています。ただし、特定施設については、特定施設入居時等医学総合管理料の管理対象となる患者も多いことが予想されるため効率的な訪問診療を行うことが可能です。

③医学管理・指導料

医学管理料や指導料は、医院の収入において非常に重要な収入源となります。また、国が政策的に力を入れている疾患については高額な点数が付与されるため、医学管理を算定する件数が多くなると医院経営がより高収益となります。

医学管理料などの特徴は、検査数値による生活指導や療養指導が中心となるため手間がかかる反面材料費などの費用があまりかからない点にあります。

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図5 在宅診療の算定ロジック(出所:医療費のしくみ)

ここで1つポイントとなるのは、生活習慣病管理料です。脂質異常症や高血圧症、糖尿病を主病とする場合に月に1度算定可能です。因みに、点数は処方箋を交付する場合は、脂質異常症(650点)、高血圧症(700点)、糖尿病(800点)となっています。

こちらの医学管理料は、図5のように予防の概念の中に位置づけられています。WHOの1次から3次予防までのモデルで位置づけると1次予防が特定健診と特定保健指導、2次予防が生活習慣病管理料となります。1次予防が病気にさせないこととすると2次予防は病気が進行しないことや悪化させないことに重点が置かれます。これからかかりつけ医として地域住民の健康管理をしていくことを考えると1次予防と2次予防を医院が担っていく必要があるでしょう。

医学管理料などについては、患者さんの自己負担が高額となるためあえて算定しない医院も多いかもしれませんが、質の高い指導を行っていくことで信頼を得ることを目指していく必要もあります。

④検査

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図6 生活習慣病と予防の概念

検査については、検体検査をより質が高く効率的に算定していく必要があります。特に、生化学的検査は、5 〜7項目(95点)、8〜9項目(104点)、10項目以上(123点)で包括となっています。そのため、できれば7項目であれば1つ追加して8項目、9項目であれば10項目、10項目を大幅に超えるようであれば、できるだけ検査項目を減らせるようにしていく努力が必要です。ただし、検査を外部委託することで10項目以上は金額が変わらない契約の場合は無理をして減らす必要がありません。

また、検査については機器や試薬、消耗品が高価な場合もあるので、採算点に達しない件数であれば、じっくり検討して購入する必要があります。

上記で説明した診療報酬点数は一部です。診療科により様々な違いがあり、複雑であることは間違いありません。

総括

診療報酬については点取りゲームと揶揄されることもありますが、理解して算定することが医院経営における無駄を防ぐことになります。まずは、大まかに理解し、その後、時間をかけて慣れていくことをお勧めします。

(文責:木村憲洋)

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