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the医院開業|クリニック開業計画書の作成方法

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開業準備「虎の巻」お金のはなし

医師としての生涯。
歩む道の違いでいったいマネープランはどう変わるのか?

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クリニックも倒産する時代と言われるけれど

  1. 「開業の事業計画書」
    一般内科の平均診療単価・経費率で試算してみると・・

初回の面談では、現状の収入と支出と、ライフプランにもとづく将来の収入と支出の予測からCF表を作成してみました。その内容を見ると、思い描くライフプランを実現するのは厳しいという結果になってしまいましたが。。


初回の面談を終えて

ひと月して、財前先生が奥様を同伴し再びFPを訪ねました。
「前回の面談を終えて、「妻の離職」「二人の子供を自分たちの母校へ入学させる」当たり前のことと思っていたライフプランが、勤務医としての収入だけでは実現できそうにないことを目の当たりにし、正直大変驚きました。自分たちが当たり前のようにしてもらってきたことが、今の時代、医者の家庭でも叶わないものなんですね。ただ、妻はまだ離職していないし、2人目のこどもも出来ていない。住宅も買い換えていない、このタイミングで、今後のライフプランについて夫婦で考え、共通の認識を持てたことはとても意義のあることでした。」

財前先生によると、ご友人の中にもポツポツと開業を志すものもいて、自分も医師としての働き方について、いろいろと考えることも多く、開業すればどのように生活環境が変わるのか非常に興味が出てきたとのことでした。 「収入面では、お金の話などは開業した友人にも単刀直入に聞くこともできず、私の父も開業していないため、開業医の収入がイメージできません。そこで今回は開業をした場合のCFの作成をお願いしたいと思います。」

勤務医の平均給与1,450万円より、開業医の2,521万円の収入の方が、はたして生活は豊かになるのでしょうか? 医療経済実態調査では、2008年の勤務医の平均給与は1,450万円、開業医の平均年収は2,521万円となっています。しかし、その額面金額だけで単純に比較をすることは出来ません。なぜなら、勤務医はからだひとつで収入が得られるのに対して、開業するにはクリニックの設備投資が必要となります。開業時に借入れをすれば、ローンの返済をしていかなければならず、完済するまではその分、自由に使えるお金は少なくなります。

その反面、妻に専従者給与を支払い、所得を分散していることが一般的なので、家計全体の収入では額面以上に多いことも推測されます。


開業計画書

「では、まず開業した場合の収入について考えていきましょう。そのためには、開業計画を作成する必要があります。」担当のファイナンシャルプランナーは続けます。 「標榜する診療科目や立地などで、とにかく個体差が極めて大きくなりますが、一般内科で開業した場合の事業計画書をつくってみましょう。」

【シミュレーションの前提】

  • テナント ビル診開業。スケルトン渡しで内部造作に1800万円。医療機器や電子カルテなどで2,000万円を見積もるが、うち1,000万円をリースとした。賃料月額50万円(駐車場題含む)で、保証金は480万円。
  • 人材募集や内覧会の広告費、診察券の印刷、看板の作成や備品の購入、医師会の入会金等の初期費用で720万円。開業費合計で5,000万円(内1000万円はリース)を見込んだ。
  • 診療単価は院外処方の一般内科平均の概算値5500円を想定。
  • 年間診療日数237日(週休2日+年間の祝日+春・夏季・冬季合わせて10日程度の特別休日を差し引いた日数)。年間収支が明確となるよう年始に開業として試算。
  • 1日当たりの平均来院患者数は、初年度30名。2年目40名、3年以降45名とした。
  • 医療材料費は診療報酬の8.8%、検査委託費を4%とこれも平均的な数値を採用。
  • 人員配置は看護師:正職員1.パート1 受付:正職員1.パート2+専従者(専従者給与分は人件費に含めていない)
  • 借人金は4,780万円で、初期費用4,000万円の残り、780万円を手持ち資金とあわせて運転資金にする。 返済期間は20年間で元金均等返済、金利は2%。
  • 返済額は元金部分が239万円、初年度の金利分は約94万円(元金均等払いのため金利分は年々少なくなっていく)

開業計画書に基づいた試算

「あくまでも平均値をつかった想定に基づいた試算となりますが、診療報酬から、医薬品・医療器材・検査委託料・人件費・賃料・リース料・返済金利などを差し引いた経常利益は、初年度687万。次年度1,814万円・翌々年度は2,376万円となります。

単純に収支を見られるように、ローンの据え置き返済や創業費・保証金・医師会の入会金などの償却はしておりません。

開業計画ができあがったところで後編ではこの計画を基にし、開業した場合の財前家のCF表を作成していきます!

執筆者紹介

松木 祐司
FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社
ファイナンシャルプランナー
  • CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
  • 外資系損害保険会社・外資系生命保険会を経て、特定の金融機関に所属しない独立系ファイナンシャルプランナーとなる。
  • 主にドクターとご家族のライフプラン実現のための、資産運用設計、保険設計、相続対策や医院経営のリスクマネジメントに取り組む。

【著書・寄稿】
得する保険の選び方 いまこそ見直そうあなたの保険 退職金がっちり運用 他
ジャミック・ジャーナル、クリニックマガジン、日本歯科新聞、日本経済新聞、 週刊東洋経済、 週刊エコノミスト、マネージャパン、 あるじゃん 他
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